個人事業主に支払い義務のある税金

個人事業主に支払い義務のある税金

基礎的な税金の知識を知っておこう

個人事業主として店舗経営をする場合は、様々な税金の負担も考慮して資金繰りを行う必要があります。節税を検討する場合等、専門的な知識が必要なときは税理士のサポートを活用する方が良いですが、事業主自身も基礎的な税知識は持っていた方が良いでしょう。個人事業主が支払うべき税金の基礎知識についてご紹介します。
※ここに書いた内容は、記事執筆時点の制度の概要です。記事閲覧時点で制度が変更されている可能性もありますので、ご注意下さい


所得税

個人が所得を得た場合は、国税である所得税の納税義務が生じます。
所得税は、個人の所得を10種類に分類して納税計算を行う必要があります。店舗経営で生じた利益は事業所得に分類されますが、その所得は、売上等の総収入金額から売上原価や減価償却費等の必要経費を引いて求めます。

青色申告をしている場合は、さらに青色申告特別控除を引けます。そこから基礎控除等の所得控除を引いて課税総所得金額を求め、これに累進税率を適用して所得税を求めます。 原則として申告書を作成して確定申告する必要があり、申告期間は、所得が発生した翌年2月16日から3月15日です。納税時期も同じです。

個人事業主が正しく納税計算を行うためには、商品を引き渡したタイミングで売上を総収入金額に算入する、売り上げを得るために直接要した支出は必要経費に算入できる等の基本的な知識は持っている必要があるでしょう。また、長期的に使用する高額な備品や設備は、減価償却費の計算が必要になることも注意しておく必要があります。

確定申告書は、国税庁のホームページの申告書作成コーナーを活用すると簡単に作ることができます。申告書を作成する基礎となる日々の記帳をしっかり行い、領収書等の証票を確実に保存するように心がけると良いでしょう。


住民税

個人が所得を得た場合は、住民税の負担も発生します。住民税は、所得に関係なく負担する均等割と所得に応じて負担する所得割の合計によって負担額の計算が行われます。事業所得に対する所得割の税率は、所得税とは違い一律10%となっています。

住民税については、原則として確定申告は必要ありません。所得税の確定申告書を提出していれば、そのデータが地方自治体にも通知されますので、別途申告をする必要がないのです。所得の計算方法は、一部違う点もありますが、所得税の計算方法と概ね同じです。

住民税について知っておくべき注意点は、前年の所得に対して課税される点でしょう。サラリーマンを退職して事業を始める場合、事業開始年の所得が小さかったとしても、前年の会社員としての所得に対して住民税がかかりますので、負担が大きくなる可能性があります。その点をよく理解した上で、納税資金を準備しておく必要があるでしょう。


事業税

個人で事業をしている人は、個人事業税を負担する可能性もあります。事業に関わる所得だけを抜き出して事業税の課税対象となる所得を計算することになりますが、事業主控除が290万円ありますので、所得がその金額以下である場合は課税されません。

また、課税される場合であっても、所得税の確定申告書を提出しているときは、そのデータが地方自治体に通知されるため、別途事業税の申告を行う必要はありません。その場合は、納税金額は自治体が計算することになっています。


国民健康保険税

会社を辞めて個人事業主となる場合、それまで加入していた健康保険に任意継続被保険者として残るケースもありますが、一般的には国民健康保険の被保険者となるケースが大半です。個人事業主として国民健康保険の被保険者となった場合は、市町村に国民健康保険料を納める義務が生じます。自治体によっては健康保険税として税金扱いになっているケースもあります。

国民健康保険料や国民健康保険税は、所得に関わらず決まる「均等割」部分と、所得に応じて変動する「所得割」の部分があります。このうち、負担額に大きく影響してくるのは所得割の部分で、住民税と同様に前年の所得をベースに計算され、所得が増えると、所得割の額が増えます。
携帯料金の「基本料金」と「従量課金料金」のような構造ですね。

注意点は、所得の計算方法が所得税や住民税とは違うという点です。基礎控除を除く所得控除等は考慮されませんので、思ったより負担金額が大きくなる可能性があることは知っておくといいでしょう。


その他支払いが必要な税金

個人事業主が負担すべき税金はまだあります。プライベートで保有しているものだけでなく、事業として使用している不動産や償却資産も含めて、固定資産税がかかります。固定資産税評価額に標準税率1.4%の税率を乗じて求められます。
都市計画区域内であれば都市計画税もかかるでしょう。

また、事業を始めて3年目になると、消費税の課税事業者に該当する可能性があります。
2年前の課税売上高が1000万円を超えると納税義務者になり、消費税の確定申告を行う必要が出てきます。事業者としての実質的な資金負担はないですが、売上時に預かる消費税を運転資金に回してしまうと、納税資金が不足する可能性がありますので注意が必要です。

個人事業主として店舗経営を行う場合は、運転資金の手当てや設備投資の資金の手当ても大変ですが、一部の税金を除き、税金は現金一括納付が原則ですので、納税資金の確保も怠らないようにしましょう。



エキテンマガジン編集部

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